対象:経営者様・給与ご担当者様
制度改正のお知らせ
社会保険料の算定に用いる「現物給与の価額」が、令和8年に改正されます。食事は令和8年4月1日から、住宅は令和8年10月1日から新しい価額・計算方法が適用されます。特に住宅については算定方法自体が変わるため、社宅(住宅)を貸与している事業所様は注意が必要です。あわせて、社宅については社会保険上の取扱いと税務(所得税)上の取扱いが別の基準で判定される点も、実務で混同されやすいポイントですので、あわせて整理してご案内します。
1. 何が変わるのか(社会保険上の現物給与価額の改正)
給与や賞与の全部または一部を、住宅の貸与や食事の提供など通貨以外のもので支払う場合(現物給与)、その価額は厚生労働大臣が告示で定めています。今回、この価額が改正されます。

居間・寝室など、居住用の室のみを対象(畳数基準)

玄関・台所・トイレ・浴室・廊下も含む総床面積(㎡基準)
※バルコニー、別棟、車庫、共用部分の面積は算定対象外です。間取り図は日本年金機構資料の例を使用しています。
現物給与の価額は都道府県ごとに定められており、地域によって単価が異なります。総面積40㎡の社宅を例に、令和8年10月1日以降の価額で計算すると次のとおりです。
| 東京の事業所 | 1,330円(総面積1平方メートルにつき)×40㎡=53,200円 |
|---|---|
| 熊本の事業所 | 530円(総面積1平方メートルにつき)×40㎡=21,200円 |
このように、同じ広さの社宅でも所在地によって現物給与価額は大きく異なります。
なお、都道府県ごとの価額は日本年金機構が公表する一覧表をご確認ください。
2. 実務上ご注意いただきたいこと
現物給与価額の改正は、「固定的賃金の変動」に該当します。対象となる従業員がいる場合、標準報酬月額の随時改定(月額変更届)が必要になることがありますので、該当する方がいないかご確認ください。
また、現物給与(食事・住宅等)は給与の締め日にかかわらず、その月の1カ月分として計算し、実際に支給する金銭の給与と合算します。月の途中で入居した場合は日割計算となります。
3. 住宅(社宅)は「社会保険」と「税務(所得税)」で基準が違います
社宅を貸与している場合、「社会保険料の算定」と「所得税の課税判定」は、目的も計算方法も異なる別々の制度です。どちらか一方の基準だけで判断すると、思わぬ認識違いにつながることがあります。
| 社会保険(標準報酬月額の算定) | 所得税(給与課税) | |
|---|---|---|
| 算定の基準 | 都道府県ごとの「現物給与の価額」表(厚生労働省告示) | 物件ごとの「賃貸料相当額」(固定資産税の課税標準額をもとに算定) |
| 令和8年10月〜 | 住宅の総床面積(1㎡につき〇円)を基準に算定 | 算定方法に変更なし(従来どおり固定資産税の課税標準額を使用) |
| 負担割合の考え方 | 現物給与価額から実際の家賃徴収額を差し引いた額が対象 | 従業員は賃貸料相当額の50%以上の負担で非課税。役員は住宅の種類により基準が異なる |
| 算定の目的 | 社会保険料(健康保険・厚生年金保険)の基礎額を決定 | 所得税・住民税の課税対象となる給与所得を判定 |
参考リンク
- 日本年金機構「現物給与の価額」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150511.html - 国税庁タックスアンサー No.2597「使用人に社宅や寮などを貸したとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2597.htm - 国税庁タックスアンサー No.2600「役員に社宅などを貸したとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2600.htm - 国税庁タックスアンサー No.2594「食事を支給したとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2594.htm
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本お知らせは2026年8月25日時点で確認できた公的情報等をもとに作成した一般的な情報提供であり、個別の法的助言・税務助言に代わるものではありません。税務上の具体的な判定については、顧問税理士等にご確認ください。